緩和医療研究会とは

私たち緩和医療研究会は平成3(1991)年9月、当初は「末期(がん)の症状コントロールを考える医師の会」として創設され、現在は対象をがん以外にも拡大するとともに医療関係者広くに参加をよびかけて活動を続けています。とくに、大学と地元の医療職が協力しながら緩和医療・緩和ケアを推進していこうという組織です。 会の活動として、年1回の総会・総会記念講演の他に年数回の症例検討や講演会などの研究集会を開催しており、これは通算63回を数えました。 また、そうした活動の記録とともに緩和医療の最新動向について特集を編んだ機関誌『緩和医療』を発行しており、これも通巻34号を数えています。

代表世話人あいさつ

 緩和医療研究会の歴史は古く、1991年に加藤恒夫先生を中心に創設されました。2016年にがん対策推進基本法の改正により、「がん患者の療養生活の質の維持向上に関する研修の機会を確保するために必要な施策」として整備された緩和ケア研修会に多くの医療従事者が参加し、今では緩和医療は一般的になっています。一方では、緩和ケアの質が問われ、非がんや認知症のケア、Advanced care planning、卒前や多職種連携教育、pandemicの際の緩和ケア病棟の意義など、解決すべき問題が多々あります。
 私は1992年に赴任した国立療養所山陽荘病院で、結核が不治の病であった時代にゆったりと静養したであろう患者の姿が目に浮かび、担当している進行肺がん患者の姿と重なりました。その流れのなかで、1993年に国立呉病院、1995年に国立がんセンター東病院で緩和ケア講習会へ参加し、緩和医療への関心が深まりました。2006年に田中紀章先生のもと松岡順治先生と山田了士先生に誘われて岡山大学病院の緩和ケアチームを設立し、当院では山根弘路先生が中心に行った緩和ケアチームと緩和ケア病棟の立ち上げのサポートを行ってきました。
 この度、伝統ある緩和医療研究会の代表世話人という大役を齋藤信也先生から引継ぎ、当会から発信する更なる緩和医療の普及・啓発を行う所存でございますので、皆さまのご支援・ご協力をよろしくお願い申し上げます。

2022年6月吉日 
川崎医科大学総合医療センター 瀧川奈義夫

沿革

1991年9月1日 世話人会発足
1992年2月15日 設立総会(岡山衛生会館中ホール)
2011年3月5日 第19回総会にて、対象を「がん」以外の疾患に拡げ、会員を「医師」以外に拡げる方針を決定(規約改正を予定)。
2012年2月11日 第20回総会にて会則を改訂、第1条の「ーー末期(がん)の症状コントロールを考える医師の会ーー」を削除承認。
2013年3月2日 第21回総会にて趣意書・会則の事務局改訂案を承認し、条文のさらなるブラッシュアップを世話人会に一任
2014年1月28日 世話人会メーリングリストにて趣意書・会則の改訂第2版を承認。本サイトにも掲載
2014年3月29日 第22回総会にて趣意書・会則の改訂第2版を承認
2018年3月31日 第26回総会にて事務局異動を承認 (事務局:岡山大学病院緩和支持医療科)
2022年2月25日 第28回総会にて事務局異動を承認 (事務局:川崎医科大学総合医療センター総合内科学4)

IMFORMATION